
会社の設立時の
資本金
について、どれくらいに設定すればよいのかを知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
会社を設立する際の資本金について、どれくらいの金額が適切なのかについて、わかりやすく説明しています。

会社設立時に決めなければいけない項目のひとつとして、
資本金の額
があります。
実際、
資本金1円
でも会社設立はできますが、その場合、運転資金をいきなり借入れすることになり、財務諸表が不健全な状態になってしまいます。
結論からいうと、少なくとも、
事業の規模に応じて、一定期間の運転資金がまかなえるような金額を資本金の額に設定する
ということを基本にして、あとは、状況に応じて設定するという考え方が良いでしょう。
また、注意点がありますので、下記に順に記載します。
金融機関から融資を受ける場合

金融機関から融資を受ける場合、融資の審査の際、
財務諸表
をチェックします。
もっとも、会社設立時は、売上げの数字をつくるのもこれからという状態ではありますが、バランスシート上の資本金の金額が極端に少ないと、いきなり、借入れ(経営者からの借入れなど)が発生しますので、財務諸表の見た目上、あまりよくありません。
資本金の設定は、運転資金をある程度の期間、回せるような金額が望ましいと言えます。
また、一般的に、資本金が大きいほうが信用度が増します。
また、金融機関によっても、判断が変わってきます。
創業期の融資としては、政策金融公庫の「新創業融資制度」という無担保・無保証人で利用できるものがあります。
資本金が、1000万円未満の場合、消費税の免除(最大2年間)がある(例外あり)

資本金については、
1000万円未満の場合、最大2年間の消費税の免除
があります。
但し、ややこしいのですが、下記の場合は、消費税がかかってきます。
平成25年1月1日以後に開始する年又は事業年度については、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても特定期間(※)における課税売上高が1,000万円を超えた場合、その課税期間から課税事業者となります。なお、特定期間における1,000万円の判定は、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできます。
国税庁 納税義務の免除
※ 特定期間とは、個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいい、法人の場合は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間をいいます。
前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間に、
売上げが1000万円以上
もしくは、
給与等支払額の合計額が1000万円以上
の場合は、対象外となります。
国税庁 納税義務の免除
【補足】
但し、 2023年10月から施行の「インボイス制度」で、適格請求書発行事業者の登録を行った場合は、消費税の対象事業者となります。
都道府県・市町村に毎年支払う法人住民税

都道府県・市町村に毎年支払う法人住民税に関しても、
1000万円を超えると、年間18万円以上の負担増となります。
業種によっては、資本金の最低金額が決まっている場合がある

例えば、
労働者派遣業
の場合は、
資本金が2,000万円以上
という定めがあります。
ですので、業種によっては、最低資本金の金額が決まっている場合がありますので、事前にチェックしておきましょう。
補足

資本金の金額的には、税金の関係からみると、
1,000万円を超えるかどうかが、ひとつのボーダーライン
ということができます。
ただ、実際の会社経営の観点からいうと、
3~6ヵ月程度の運転資金
を目安に資本金の金額を設定するという考え方が現実的です。
一般的には、
会社設立時の平均的な資本金は、300万円前後
と言われています。
あくまで目安ですので、状況に応じて判断していきましょう。
以上、資本金をどれくらいに設定すればよいのかについての説明でした。
