
法人も、
年末調整の書類
を提出する必要があるって聞いたんだけど、その内容について知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
法人が提出すべき「年末調整関係の書類」について説明しています。

年末調整の書類は、
1.社員に依頼するもの
2.上記をもとに、会社で作成するもの
に分かれます。
今回、年末調整書類の作成を行いましたので、忘備録的に記録に残しておきます。
ちなみに、書類の作成自体は、「ジョブカン給与」で行いました。
「2.上記をもとに、会社で作成するもの」
についてですが、
会社で作成した書類
は、内容に応じて、
・税務署
と
・市町村
に提出する流れになります。
順に説明していきます。
法人が提出する年末調整の書類

提出すべき書類の内容としては、下記になります。
税務署向け
法定調書合計表
年間の給料額の合計、所得税の金額などを記載した書類です。
書面自体は、事前に税務署から送付されてきますので、そこに、必要事項を記入します。
支払調書
下記の支払いがある場合は、支払調書の提出が必要となります。
報酬、料金、契約金および賞金の支払調書
フリーランスなど個人の取引先に対して報酬を支払った場合に提出します。
フリーランスなどに外注する場合、一定額を超えた場合は、支払い時に所得税を源泉徴収し、所得税を税務署に支払う流れになります。
また、なぜか、業種によって細かい規定が定められています。
例えば、
芸能人の業務に関する報酬・料金
というものもあります。
ここまで細かい設定が必要なのかは必要なのかは謎です。
詳細は、国税庁の下記先(PDF)に記載があります。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2017/pdf/07.pdf
不動産の使用料等の支払調書
不動産の賃借料を支払っている場合に作成します。
家賃の場合は、1年間の使用料の支払いが15万円を超え、個人(法人は不要)に支払っている場合に必要となります。
不動産等の譲受けの対価の支払調書
不動産を購入した場合に作成する支払調書です。
法人か一定の不動産業者である個人に対して、1年間の支払金額が100万円を超える場合に税務署に提出します。
不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書
不動産に関するあっせん手数料を支払った場合に作成する支払調書です。
1年間の支払金額が15万円を超える場合に必要となります。
源泉徴収票
社員に1年間に支払った金額や控除額をまとめた書類です。
各社員にも提出するものです。
対象者は、年末調整をしている人となります。
(役員なら150万円を超える人、従業員なら500万円を超える人となります。)
確定申告をしている人の場合は、年末調整の対象外となります。
また、年の途中で退職した人に関しても、提出対象となります。
市町村向け
市町村向けの提出書類は、市区町村ごとに作成します。
給与支払報告書(総括表)
会社の情報(会社名、所在地)、従業員のうち、何名がその市町村に居住しているのかを記載します。
提出書類の表紙のようなものです。
給与支払報告書(個人別明細書)
その市町村に居住する従業員それぞれの給料や賞与などの金額、社会保険料控除などの情報を記載した書類です。
内容的には源泉徴収票と同じですので、源泉徴収票をそのまま提出する形でOKです。
提出時期
基本、1月末までに税務署、市町村に書類を提出する必要があります。
期限に間に合わなかった場合

提出期限に間に合わなかった場合は、ケースによって下記対応となります。
従業員が期限通りに書類を提出しなかった場合
従業員からの提出書類は、通常、事前に、会社でその提出期限を決めます。
その期限に遅れても、結果的に、
法人が税務署と市町村に提出する期限である1月末
に間に合えばOKです。
ただ、それでも、提出しない社員がいた場合は、その社員には、
自分で確定申告
をしてもらうことで対処できます。
確定申告の提出時期は、原則2月16日から3月15日です。
確定申告しなかった場合は、その従業員が、
「無申告加算税」あるいは、「延滞税」などに問われるリスクがあります。
法人が税務署や市町村に書類を提出しなかった場合
提出が若干遅れる場合は、事前に、担当窓口に連絡して相談しましょう。
大幅に遅れる場合は、結果的に、
従業員に確定申告をしてもらう必要
があり、従業員に労力を強いることになってしまいます。
また、年末調整を怠った場合の法的な措置としては、
脱税
に相当する可能性があり、10年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金が科されるリスクが発生しますので、注意が必要です。
まとめ

提出書類自体は、「ジョブカン給与」などのクラウドサービスを活用すると効率的です。
エクセルや手作業で計算するのは、結構、手間ですし、間違えるリスクもあります。
また、クラウドサービスを検討される場合、複数の会社が提供していますし、料金体系も様々ですので、事前に内容をよく吟味しましょう。
「ジョブカン給与」の場合、5名以下の場合、無料ですが、
「年末調整書類」の作成
の際は、有料になります。
ただ、1カ月間は有料機能も無料となりますので、その期間であれば、費用をかけずに対応できます。
もっとも、有料の場合も、1人月400円ですので、かなりリーズナブルな料金設定ですが、最低利用料金が月2,000円(税別)になっています。
会計処理のほうには、会社の社会保険の負担費用(預り金)も自動でデータが入力されます。
社会保険費用の負担額の計算も自動ですので、都度、計算表をみなくてもOKです。
以上、法人が提出すべき「年末調整書類」の作成についてでした。
