
会社を設立した後、やはり、FAXも準備していたほうが良いと考えているけど、
従来型のFAXか、インターネットFAXか
どちらがいいのかな?
こんなテーマに関する記事です。
法人でFAXを準備する必要がある場合、インターネットFAXという選択肢もあります。その内容について説明しています。

会社を設立する際に、業種によっては、
FAX番号
も設定しておおたほうが良いケースがあります。
将来的には、FAXの利用は、徐々に減っていく可能性もありますが、現時点では、まだまだ使用されています。
また、名刺にもFAX番号を記載する場合も多いので、FAXを後で準備するより、最初に用意しておいた方が良いといえるでしょう。
その際に、従来の電話回線やひかり電話の回線を使用する他に、
インターネットFAXのサービス
を利用するという選択肢もあります。
その際のメリット、デメリットなどに関して、通常の固定回線を使用する場合との比較もあわせて説明していきます。
インターネットFAXのメリット

インターネットFAXのメリットとしては、
・外出先からも、ネット上でFAXの送受信ができ、受信した内容も確認することができる
・受信したFAXは、データで保存されるので、紙を使用しなくても良い
・FAX番号は、インターネットFAXの会社が用意した番号を使用することができる
・ある程度、まとまった数のFAXの送信をする際は、トータルコストが低く抑えられる
といった点があげられます。
ですので、機器を用意することなく、パソコンやスマホとネット環境さえあれば利用することができ、手軽に利用できます。
また、外出が多い場合でも、ネット環境とパソコンやスマホさえあれば、外出先でFAXの操作もできて便利です。
インターネットFAXのデメリット

インターネットFAXのデメリットとしては、
・サービスを提供している会社によって、費用の差はあるものの、使い方によっては、コスト高になってしまう可能性がある
・市外局番が、050番号もしくは、指定の市外局番(03等)に限定される
・ 050番号 の場合、一部のコンビニのFAXから送付できない場合がある
という点をあげることができます。
FAXの市外局番に関しては、インターネットFAXを提供している会社にもよりますが、使える市外局番の指定があります。
ですので、自社の所在地と異なる市外局番、もしくは、050番号になります。
インターネットFAX自体は、便宜性や、FAX機器の購入の必要性が無いというメリットはあるものの、コスト面や、FAXの利用状況を踏まえて、検討することにはなります。
では、具体的なサービスの事例で見ていきましょう。
インターネットFAXのサービス比較

インターネットFAXを提供している会社も複数あり、どこを選べばいいか、迷ってしまいます。
基本的には、
■ コスト面
初期費用
月額費用
送受信時の料金
■ 利用できるFAX番号
一般的な固定電話の番号
050から始まる番号
■ 使いやすさ
といった項目でチェックしていきます。
主だったインターネットFAXのサービス比較としては、下記になります。
サービス名 | 初期費用 | 月額費用 | 受信 | 送信 | FAX番号 |
Message+(メッセージプラス) ![]() | [年払い] 0円 [月払い]1,100円(税込) | 年払い ; 10,450円(税込)/年 月払い ; 1,045円(税込)/月 | 0円 | 16円/枚(税込) | 050番号 |
≪eFax≫インターネットファックス![]() | 1,000円(税込1,100円) | 月払いプラン; 1,800円/月 (税込1,980円) 年払いプラン; 18,000円/年 (税込19,800円) | 毎月150ページ まで無料 (151ページ目以降) 10円(税込11円)/ページ | 毎月150ページ まで無料 (151ページ目以降) 10円(税込11円)/ページ | 全国主要都市のFAX番号 および050番号 |
MOVFAX[モバックス]スタンダードプラン
![]() | 1,000円(税込1,100円) | 980円(税込1,078円) | 1ヵ月1,000枚まで無料 1,001枚以上:8円(税込8.8円) | 1送信2枚ごとに8円(税込8.8円) | 市外局番:東京(03)大阪(06)神奈川(045)の3拠点のみ および050番号 |
秒速FAX Plus
![]() | 1,100円 | SOHOプラン;520円/月 ベーシックプラン;840円/月 | SOHOプラン;8円/枚 ベーシックプラン;3円/枚 | [秒速FAX送信] ~5,000枚;10円/枚 | 050番号 |
faximo | 1,080円 | 1,080円 | 14/枚 | 毎月1,000枚まで無料 1,001枚以降 8円/枚 | 「03」「06」「052」 |
もちろん、上記以外のサービスもあります。
中には、初期費用が数万円のサービスもありますので、注意しましょう。
また、使いやすさに関しては、試験利用ができない為、各社のホームページに記載されている管理画面の画像などでチェックすることになります。
また、その会社のホームページ自体のつくり方で、見やすい画面になっているかどうかで、その会社のサービスも使い勝手を意識したものになっているかが、ある程度、イメージがつく部分もあります。
ちなみに、私自身は、Message+(メッセージプラス)を利用しています。
通常の固定回線を使用する場合との比較

FAXを準備する際の選択肢としては、「インターネットFAXサービスを利用する」というケースの他、もちろん、従来通りの方法で、
・固定回線を使用する
という場合もあります。
それぞれの固定回線を使う場合は、
・ FAXの専用回線を用意するかどうか
という点と、
・ ひかり電話を使用するか、アナログ回線を使うどうか
という選択肢になります。
それぞれの内容をみていきましょう。
FAX専用回線を追加するかどうか ?
従来回線やひかり電話を利用する際に、
・ひとつの固定回線をFAXと切り替えて使用する
・FAX専用回線を追加するかどうか ?を別途用意する
の2つケースがあります。
ひとつの固定回線をFAXと切り替えて使用する
小規模事業所の場合は、ひとつの固定回線をFAXと切り替えて使用する場合が結構あります。
この場合、FAXを受信する機器側で、
通常の電話(音声)かFAXを認識して対応させる必要
があります。
ですので、機器や設定にもよりますが、呼び出し中のメッセージで、相手側に、
「ただいま電話を呼び出しております。そのまましばらくお待ちください。ファクシミリの方は送信してください。」
などといった内容が流れる場合があります。
一般のお客さんからの電話で、こういったメッセージが流れると、印象はあまりよくありません。
もっとも、事業用サービスで、取引先が特定の先に決まっている場合は、許容範囲とも言えます。
ですので、そういったことも踏まえ、代表電話の回線と兼用にするかどうかを決めます。
FAX用の番号を別途用意する
FAX用の番号を別途用意する場合については、
■ 従来のアナログ回線の場合は、新しく電話加入する
■ ひかり電話の場合は、番号追加する
という手順になります。
■従来のアナログ回線の場合は、新しく電話加入する
NTTのライトプランの場合(NTT東日本)の場合は、
契約料 ;880円
工事費 ;2,20/0円
月額費用 ; 1,820円 ~ 3,025円
となっています。
ひかり電話と比べると、かなりコスト的には高いですね。
■ ひかり電話の場合は、番号追加する
ひかり電話の場合、
番号追加
することで対応できます。
但し、「NTTフレッツ」の「ひかり電話」と、「AU」の 「ひかり電話」 の番号追加の手順が異なります。
また、「ソフトバンク」の 「ひかり電話」 のサービス中には、番号追加できないものもあります。
ひかり電話の場合の「番号追加」については、キャリア毎に下記に説明していきます。
ひかり電話の番号追加について

ひかり電話の番号追加については、キャリアごとに下記の内容となります。
NTTフレッツ光
光電話(月額基本利用料 550 円/月)を契約中の場合、番号追加で、月額基本利用料 110 円/月となっています。また、別途工事費用がかかります。
また、同時に、複数チャンネルというサービスも申し込みをする必要があります。
■番号追加
・NTT東日本
・NTT西日本
■ 複数チャンネル 月額基本利用料 220円/月
NTT東日本 複数チャンネル
NTT西日本 複数チャンネル
AUひかり
AUひかりの光電話を契約中の場合、番号追加で、月額基本利用料 450円/月となっています。
ただし、AUひかりで2回線使用する場合は、
スイッチングハブ
で回線を分けてそれぞれにホームゲートウェイ機器経由で電話やFAXにつなげるということを行う必要でてきます。
ホームゲートウェイ自体は、番号追加を依頼するとKDDIから送付されてきます。
それ自体の費用は発生しません。
但し、スイッチングハブは、自前で用意する必要があります。
また、番号追加して計2回線使用できますが、それ以上の番号追加はできません。
ちょっと面倒ですね。
AUひかり 便利な電話付加サービス
ソフトバンク系列
ソフトバンク系列の場合、
ホワイト光電話、光電話(N)、BBフォン
の3つがあります。
このうち、番号追加できるのは、光電話(N)のみです。
他の2つは、付与される番号は1つだけで、追加はできませんんで、注意が必要です。
通信料について

少し細かいお話しになりますが、通信料も見ていきましょう。
アナログ回線の通信料
アナログ回線を使用する際の通話料金は下記になります。
NTT
11円でかけられる時間
市内通話料金 | 昼間・夜間 9.35円/3分 |
区域隣接・~20kmまで | 昼間・夜間 22円/3分 |
20kmを超え60kmまで | 昼間・夜間 22円/3分 |
60kmを超え | 昼間 44円/3分 夜間 33円/3分 |
NTT東日本 固定電話から固定電話への通話料金
ひかり電話
ひかり電話を使用する際の通話料金は下記になります。
フレッツ光
加入電話、INSネット、ひかり電話への通話 8.8円/3分
NTT東日本フレッツ 通話料・通信料
auひかり 電話
国内加入電話向け通話 8.8円/3分
ソフトバンク系列
ソフトバンク系列の場合、
ホワイト光電話、光電話(N)、BBフォン
の3つがあります。
※上記にも記載しましたが、FAX専用に、番号追加できるのは、光電話(N)のみです。
ホワイト光電話 8.789円/3分
光電話(N)8.8円/3分
BBフォン 8.789円/3分
通信料について
通信料からみると、 送付する内容や送信時の設定モードによっても異なる部分はあるものの、少なくとも、
アナログ回線ではなく、ひかり電話での利用のほうがコストをおさえることができる
と言えます。
さらに、コストだけでにると、FAXの利用頻度が少ないようであれば、
「インターネットFAX」より「ひかり電話でFAX利用」
という選択肢も考えられます。
(もっとも、 インターネットFAX のほうが、外出先で使えるという利便性の面も踏まえての判断にはなります)
また、インターネットFAXを利用する場合においても、社内で、ネット利用で光回線を手続きする予定があれば、少なくとも、
電話利用については、電話の通話料の点から、ひかり電話も契約しておいたほうが良い
と言えます。
フレッツひかりやauひかりの申し込みの際は、プロバイダー経由での申し込みになります。
ですので、どのプロバイダーを利用するのかを決めてから申し込むことになります。
また、ソフトバンクひかりは直接ソフトバンクへの申し込みとなります。
まとめ

インターネットFAXを利用するかどうかについては、
FAXの使用頻度や、利用形態
によって判断することになります。
取引先とFAXとのやり取りがあって、外出する時間も多いようでしたら、インターネットFAXはかなり便利です。
また、 インターネットFAX を利用しない場合には、少なくとも、固定回線はひかり電話にしておかれたほうがコスト的なメリットは大きいと言えます。
